マンモグラフィによる検診を受けましょう。

ガンの部位比較グラフ

40〜50歳代の乳ガンが激増しています。

わが国では、1年間に約35,000人の女性が乳ガンと診断されています。これは、胃ガン、大腸ガンと並んで、女性に最も多いガンの1つです。

乳ガンの特徴は、40〜50歳代の女性に特に多くみられることです。例えば、45〜49歳の女性で、胃ガンと診断されるのは1年間で3,000人に1人なのに対して、乳ガンは1,000人に1人と約3倍のリスクがあります。

また、40〜50歳の乳ガン発生率は、この20年間で約2倍に増加しています。

一方、乳ガンで亡くなる女性は1年間に10,000人で、40〜50歳代の女性におけるガン死亡率の23%を占めており、この年代の女性にとって最も多いガン死亡原因となっています。

乳ガン検診にはマンモグラフィを用いるのが国際標準です。

マンモグラフィ

マンモグラフィによる乳ガン検診は、乳ガン死亡率を減らすという意味で有効であることが科学的に確認されています。

多くの先進諸国では、マンモグラフィによる乳ガン検診が推奨されており、アメリカやイギリスでは、40〜50歳代の女性の70%以上が2〜3年に1回はマンモグラフィを受診しています。

その結果、アメリカやイギリスでは、乳ガン発生率は増加しているにもかかわらず、乳ガン死亡率が減少し始めています。

わが国では、2000年から50歳代以上の女性に対するマンモグラフィ(視触診併用)が有効と判断され、老人保健事業に導入されていますが、受診率は2%程度にすぎません。

この結果、わが国では乳ガン発生率が増加し、それに比例する形で乳ガン死亡率も増加し続けています。

マンモグラフィとは乳房専用のX線撮影のことです。

マンモグラフィとは

マンモグラフィは、乳房を片方ずつ、X線フィルムを入れた台と透明なプラスチックの板ではさんで、乳房を平らにして撮影します(これを圧迫といいます)。圧迫により、乳房内部の様子を鮮明に写しだすことができ、さらに、放射線被爆線量を少なくすることができます。

圧迫の際に痛みを伴うことがありますが、痛みの感じ方は人によって違います。検査全体は10分程度かかりますが、圧迫をしている時間は数十秒です。生理前の1週間を避けると痛みが少ないようです。乳房の大小にかかわらず、撮影は可能です。

マンモグラフィにより、視触診ではわからない早期ガンの発見が可能になります。マンモグラフィで発見される乳ガンの70%以上は早期ガンで、乳房温存手術を受けることができます。

視触診(乳房やわきの下を視る、触る)による検査を併用します。

視触診

マンモグラフィは正確な検査ですが、乳腺組織の発達した閉経前の女性の場合には、小さな影が見にくくなる場合があります。これを補うために、医師による視触診を併用します。

2年に1回の受診をお願いします。

2年に1回の受診をお願いします

2年に1回の受診でも、毎年受診した場合とほぼ同様の有効性が示されています。ただし、受診後でも新たにしこりを触れた場合には、速やかに乳房疾患の診療を専門とする乳腺外科等の医師を受診するようにしてください。

精密検査は必ず受けましょう。

精密検査は必ず受けましょう

マンモグラフィ(視触診併用)による乳ガン検診を受けると、通常、受診者1,000人中50人(5%)の方に精密検査が必要となります。さらに、精密検査を受けた50人の中で、乳ガンと診断されるのはおおよそ1〜2人(2〜4%)です。すなわち、受診者1,000人中1〜2人の方が乳ガンと診断されています。

精密検査が必要とされた方すべてが乳ガンではありませんが、50人に1〜2人という確率はかなり高いものです。精密検査が必要と言われたら、必ず受診しましょう。

乳ガンQ&A

Q.視触診のみの検診は有効ではないのですか?

A.
視触診のみの検診では、早期乳ガンを十分に発見することができないので、おすすめできません。マンモグラフィと組み合わせて受診することをおすすめします。

Q.超音波(エコー)検査は有効ではないのですか?

A.
超音波(エコー)検査による乳ガン検診の有効性については、正確な評価を行うためのデータが十分には得ておらず、今後の検討にかかっています。また、機器や撮影・読影技術が均一ではなく、検診における診断基準も統一されていないため、現在、ガイドラインを定めることが検討されています。

Q.精密検査では、どのような検査が行われますか?

A.
精密検査として、マンモグラフィの追加撮影、超音波(エコー)検査が行われます。さらに詳しい検査が必要な方には、細胞診検査(注射針でしこり部分の細胞を吸引する)や生検(機械や手術でしこりの部分の組織を取る)が行われることがあります。

Q.乳房温存手術とはどんなものですか?

A.
「乳房温存手術」とは、早期ガンを対象として、乳房の形をできるだけ温存しようとする手術です。しこりを含む部分を切除し、必要に応じてわきの下などのリンパ節を切除します。乳房は残ります。

これに対して「乳房切除手術」は乳房のすべてを切除し、わきの下などのリンパ節を切除する術式です。

Q.どんな人が乳ガンにかかりやすいですか?

A.
出産をしていない方、高齢初産の方、初潮が早く始まった方、閉経が遅かった方、血縁者に乳ガンの人がいる方、に乳ガンが多い傾向があります。

Q.放射線(X線)被爆による健康への影響はないのですか?

A.
マンモグラフィによる放射線(X線)被爆は、乳房だけに限られているので、白血病などの心配はありません。1回の撮影で乳房が受ける放射線量(0.05ミリシーベルト)は、一般の人が1年間に受ける自然放射線量(2.4ミリシーベル)の50分の1程度です。マンモグラフィによる健康への影響は、ほとんどないと考えてよいと思われます。

Q.豊胸術(シリコン挿入など)をしている場合でも受診できますか?

A.
受診はできますが、検査の正確さは通常よりも劣ります。判定に際して必要な情報なので、撮影時にその旨をお知らせください。